こんなこと、ありませんか。
- システム化を相談したら、立派な提案書が届いた。読み終えても、自社の画面がどうなるのかは想像できなかった
- 「何でも作れます」と言われて、かえって何を頼めばいいのか分からなくなった
- できあがった物を初めて触った日に、「思っていたのと違う」と気づいた
頼む側が困るのは、完成形を見ないまま決めなければいけないことです。
説明をいくら読んでも、触ってみるまで分からないことが残ります。
そこで、触れる見本を置きました。
👉 業務アプリ体験デモ(mamagotolab.com/business-demo/)
登録は要りません。架空の会社のデータが入っていて、そのまま操作できます。
3つの業務アプリを置いています
電話での修理受付、注文ファイルの転記、拠点からの報告。この3つの手作業を題材にしました。
| アプリ | 想定している会社 | 触れること |
|---|---|---|
| 修理受付・進捗管理 | 電話やメールで修理の依頼を受け、訪問して対応している | 依頼の登録、担当者の対応状況の更新、完了報告 |
| 注文ファイル照合 | 取引先ごとに書式の違う注文ファイルを、自社の受注へ入れ直している | ファイルの取り込み、商品コードの照合、受注の確定、ほかのシステムへ渡すファイル(CSV)の出力 |
| 拠点日次報告管理 | 複数の店舗や現場から、毎日の売上や件数を集めている | 各店の提出、本部の集計、差し戻し、締切後の未提出の確認 |
画面の上で役割を切り替えられます。
修理受付なら「お客様(依頼元)」と「担当者」、日次報告なら「本部」と「北店・東店・西店」です。
同じ依頼や報告が、立場によってどう見えるかを確かめられます。
触るときは、次の3点を見てください。自社に合うかの判断材料になります。
- 最初に情報を入力するのは誰か(受付担当か、お客様自身か、各店か)
- どこまで自動で進み、どこで人が確かめるか
- いまの電話・転記・確認の連絡が、どの操作に置き換わるか
画面の横に「現在のやり方」との違いを並べました
作っている途中で、自分でも引っかかったことがあります。
画面ができても、見た人が自社の業務に置き換えられるかは別の話です。
そこで、各アプリの画面の右側(スマートフォンでは下)に、「現在のやり方」と「このツールでは」を置きました。
同じ場面どうしを1対1で並べるのが決まりです。
修理受付では、たとえばこうなります。
| 現在のやり方 | このツールでは |
|---|---|
| 電話メモ・メール・チャットで受けた依頼を、受付担当がExcelへ写す | 依頼元がフォームから登録し、一覧に「受付済み」で並ぶ |
| 対応状況は、訪問担当の手帳やメモの中にある | 担当チームが「対応中」「部品待ち」へ更新し、理由も残す |
| 依頼元から確認が来るたび、担当者を探して折り返す | 依頼元は自分の画面で状態と理由を確認できる。社内メモは出ない |

最初の版は、「依頼はひとつの画面に集まる」のように効果を一言で言う書き方でした。
アプリの名前も「受付と進捗をつなぐ」で、宣伝の文句のようでした。
どちらも、見た人が自社の業務に置き換えられません。
そこで「電話メモ」「手帳」「折り返し」のようにいま手元にある道具の名前で書き直し、
アプリの名前も「修理受付・進捗管理」のように、何の業務の、何をする道具かが分かる名前にしました。
全部は自動化していません
見本だからといって、何でも自動で片付く作りにはしていません。
人が決める場所を、わざと残しています。
- 注文ファイル照合では、商品コード「0007」のように登録済みのものは、自動で商品に当てます。「UNKNOWN」のように商品マスタ(自社の商品一覧)に無いコードだけは、人が選びます
- 同じ注文番号がすでに登録されていれば、確定の直前で止まります
- 日次報告では、届いた報告を差し戻すかどうかは本部が決めます。差し戻した報告は集計から外れ、別枠で数えます
分からないものを当てずっぽうで埋めると、間違いに気づく機会がなくなります。
自動にする部分と、人が確かめる部分の境目は、作る前に決めておく大事なことの一つだと考えています。
自社向けに作るときは、画面を作る前に、この境目を業務の流れから整理します。
その整理に使う道具も、無料で公開しています。
- 担当者と作業の流れを図にする:BPMNジェネレーター
- 自動化の向き不向きを診断する:業務自動化カルテ
公開した日に、本番でだけ出た不具合
正直に書くと、公開した当日に1つ不具合を見つけました。
「体験を始める」を押した直後に、入口に並んだアプリ名を押すと、何も起きませんでした。
開始の処理が終わるまでのわずかな間、押しても黙って無視される作りになっていたためです。
自分のパソコンの中では、開始の処理が一瞬で終わります。
手元の速い環境だけで確かめていたため、通信の待ち時間がある状態を見落としていました。
いまは、開始の途中で押しても、そのアプリの画面へそのまま入れます。
通信をわざと遅らせて同じ操作を自動で繰り返し、再発していないかを確かめるテストも足しました。
公開前の確認だけでは、見落とす条件があります。
だから、公開した後に本番の環境で一通り操作する工程も、予定に入れています。
安心して触れるように決めたこと
見本とはいえ、誰でも入れる場所です。次のように決めました。
- データはすべて架空です。 実在のお客様や業務のデータには接続しません
- 体験ごとにデータを分けています。 体験を始めるたびにその人だけの架空の会社ができ、ほかの体験者の画面には出ません(自動テストでも確かめています)
- 入力した内容は、体験を始めてから24時間でデータベースから削除します。 「体験デモを終了」を押せば、その場で削除します。ただし、データベースの復元用の記録(Cloudflareの機能で、止められません)には最大7日残ります
- デモの操作で、メールを送ったり、ほかの業務システムへ登録したりはしません。
- だから、個人情報や実在の会社名は入力しないでください。 入力欄ごとに注意書きを置いています
実装には、プログラムを書くAI(Claude Code・Codex)を使いました。
何を作るか、どこを人に残すか、画面を触ってどこを直すかは、私が決めています。
よくある質問
Q:料金や登録は必要ですか?
A:どちらも不要です。ページを開いて「体験を始める」を押すだけです。
Q:スマートフォンでも使えますか?
A:使えます。画面の幅に合わせて並びが変わります。
Q:「本日の体験上限に達しました。」と出て開始できません。
A:無料の範囲で運営を続けるため、体験を始められる回数を全体で1日20回までにしています。翌日以降にお試しください。
Q:このデモを、そのまま自社に入れられますか?
A:そのままの導入は想定していません。デモは架空の題材です。自社の書式や手順を伺い、対応できる範囲と進め方をご提案します。
Q:相談するとき、最初に何を送ればいいですか?
A:「いまの業務で手作業になっているところ」を一言書いていただければ十分です。やり取りはすべてテキストで進めます。
おわりに
提案書を読んでも分からないことは、触ると分かることがあります。
逆に、触ってみて「うちには要らない」と分かるのも、立派な収穫です。
次は、この3つのうち1つを取り上げて、画面を作る前に何を決めたかを書くつもりです。
「うちの受付も、こう整理できるだろうか」「注文の転記を、どこまで任せられるか」。
自社の業務に置き換えたとき、何を作るかを決めるところからご相談を承っています。
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