ブラウザの登録画面で、いつもどおり1件だけ登録して見せると、その操作から手順書ができます。
同じ登録を何件も繰り返すときは、CSVを読み込ませると、登録画面の上で1件ずつ入力します。

そういうChrome拡張機能を作って、無料で公開しました。この記事は、その使い方と、
作るときに決めた設計方針、対応していない画面をまとめた資料です。

向いている業務・向いていない業務

向いているのは、ブラウザの登録画面に、同じ項目を1件ずつ入力していく作業です。
受注登録、顧客登録、勤怠や経費の入力など、画面と項目が毎回同じものです。

向いていないのは、「行を追加」で明細の欄が増えていく画面です(見積の品目など)。
ほかに対応していない画面は、後半の「対応していない画面」にまとめました。

「マニュアルを整えましょう」「RPA(パソコン操作を自動でくり返す仕組み)を入れましょう」は正しいのですが、
手順書を書く時間がそもそもない、RPAは設定が難しく二重登録も怖い、という前提で作っています。

できること

CSVの列は、記録した欄から決まります。
見出しだけのテンプレートを出せるので、そこに値を入れていけば準備は終わりです。

使う手順

  1. 登録したい画面でツールバーのアイコンを押し、「記録を開始」
  2. いつもどおり1件分を登録して、「記録を終了」
  3. 「記録内容を確認する」から手順書をダウンロードし、「この手順を保存する」
  4. 連続登録する画面でアイコンを押し、「この画面で連続登録」
  5. 「テンプレートCSVをダウンロード」して値を入れ、読み込ませて「実行する」

実行中は、いま入力している欄を青い枠で囲み、画面の右下に「何件目の、何をしたか」を出します。
「確認しながら実行」を選ぶと、1つ操作するたびに止まります。画面を見て「次へ」を押すと進みます。
最初の1件は、この進め方をおすすめします。

設計で決めた3つのこと

道具を作るとき、先に「やってはいけないこと」を決めています。今回決めたのは、この3つです。

1. 記録するときに、入力した値を読み取らない

記録中は、どの欄を使ったかだけを書き留めます。手順書に残るのは「「顧客番号」に入力します」までです。
入力欄の中身、どの選択肢を選んだか、パスワード、選んだファイルの名前は読み取りません。
だから、お客様の名前や金額が手順書に残りません。

連続登録するときは、CSVの値を読んで画面に入力します。この値は入力のためだけに使い、保存しません。
連続登録の画面を閉じると消えます。

なお、入力した内容を画面のタイトルやアドレスに出すサイトもあります。
その場合は、そのタイトルやアドレスと一緒に記録へ残ります。人に渡す前に一度見直してください。

手順書は人に渡すものです。
渡した先に、お客様の情報が紛れ込んでいたら困ります。

2. 実行する前に、CSVを検査する

CSVを読み込んだ時点で、次の問題をまとめて知らせます。

1件目で止めず、全部を一覧で出します。
直してから読み込み直せば済むようにしました。

3. 迷ったら止める(二重登録を防ぐ)

途中で止まった行は、2つに分けて扱います。

結果不明の行は、自動ではやり直しません。
二重登録は、止まることより怖いからです。
業務画面を人が確かめてから、手で進めてもらいます。

止めるべきところで、ちゃんと止まる。
長く段取りの仕事をしてきて、いちばん大事だと思っていることです。

CSVの決まりごと

1行が1件の登録です。見出し行の列名で、どの欄に入れるかを決めます。

決まりごと 内容
列の順番 自由。列名で対応づけるので、Excelで並べ替えてよい
空欄 その欄は触らない(空にもしない)。前の選択で出たり消えたりする欄は、使わない行を空欄にする
数値 10 -3 2.5 のような半角数字
日付 2026-10-01 の形。2月30日のような存在しない日付は通らない
チェックボックス はいいいえ
選択欄・ラジオボタン 画面に出ている選択肢の文字どおり(例:通常便)。列名はラジオボタンなら項目名(例:支払方法
文字コード UTF-8 と Shift-JIS のどちらでも読める。Excelの「CSV」保存をそのまま使える
必須の列 空欄なら実行前に止まる

対応していない画面

次の画面には、まだ対応していません。

明細の画面は、ご要望があれば対応を考えます。

クラウドソーシングのデータ入力のように、人から預かった画面やデータで使う場合もあると思います。
その場合は、自動入力ツールを使ってよいか、先に発注者に確かめてください。

よくある質問

Q. 記録した手順や入力する内容は、どこかに送られますか?
A. この道具が、開発者や外部のサーバーに送ることはありません。記録した手順は、お使いのブラウザの中だけに保存します。CSVの値は、あなたが選んだ登録画面に入力するためだけに使い、保存しません。

Q. どんな権限を使いますか?
A. 3つだけです。アイコンを押したタブへのアクセス、そのタブでの操作の読み取りと入力、ブラウザ内への保存。すべてのサイトを読む権限は求めません。

Q. 途中で止まったら、その行は登録されていますか?
A. 結果が3つに分かれます。「完了」は最後まで終わった行。「停止」は登録ボタンを押す前に止まった行で、登録されていません。「結果不明」は押したあとに止まった行で、登録されたか分かりません。結果不明は自動でやり直さないので、画面で確かめてから手で進めてください。

Q. 明細が増える画面(見積の品目など)は使えますか?
A. 今は対応していません。ほかに対応していない画面は「対応していない画面」にまとめています。ご要望があれば対応を検討します。

Q. お金はかかりますか?
A. かかりません。Chromeウェブストアで無料で公開しています。

Q. いきなり自分の業務画面で試すのが不安です。
A. 架空の受注登録画面を用意しました。記録から連続登録まで、そこで試せます。どこにも保存されません。

おわりに

同じ入力のくり返しは機械に任せ、最初の1件と、結果が分からない行は人が見る。
この線引きだけは外さないように作りました。

まず試すなら、架空の練習画面からどうぞ。自分の業務画面の前に、ひととおり確かめられます。
👉 https://mamagotolab.com/workflow-flight-recorder/practice/

自社の画面に合わせたい、明細の多い画面でも使いたい、どこから自動にすべきか決めたい、
というご相談を承っています。業務の流れを整理して「何を作るか」を決めるところ(要件定義)から、
運用後の保守まで対応します。
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