Claude Codeが AGENTS.md を読むようになりました。
ただ、この話には誤解しやすい点があります。先に結論を書きます。
すでに CLAUDE.md があるプロジェクトでは、既定のままだと何も変わりません。
AGENTS.md を置いても読まれません。両方が合わさるわけでもありません。
「対応した」と聞いて AGENTS.md を置いたのに効いていない、という場合は、まずここを確認してください。
2026年9月時点、Claude Code 2.1.278 で確かめた内容をまとめます。
いつから、何ができるようになったのか
AGENTS.md を直接読む機能は 2.1.277 で入りました。
前提を一つだけ補います。
指示ファイルとは、AIに毎回伝える作業ルールをまとめた文書です。
「この書き方に合わせて」「ここは勝手に変えないで」といった約束を置いておく場所です。
AGENTS.md は、その指示をプロジェクトのフォルダに置くためのファイル名です。
Claude Code以外のツールでも使われています。つまりツールをまたいで共有できる置き場です。
複数のAIツールを使うなら、ルールの更新先がそろっているかどうかが効いてきます。
これまでは、Claude Codeに読ませるには CLAUDE.md から読み込む記述を足す必要がありました。
いまは、条件がそろえばそのまま読まれます。
初期設定での動き(ここが本題)
リポジトリの状態ごとに、Claude Codeが何を読むかは次のとおりです。
| リポジトリにあるもの | Claude Codeが読むもの |
|---|---|
AGENTS.md だけ(上位フォルダにも CLAUDE.md が無い) |
AGENTS.md |
AGENTS.md と CLAUDE.md の両方 |
CLAUDE.md だけ |
CLAUDE.md が @AGENTS.md で読み込んでいる |
CLAUDE.md(読み込んだ分も含む) |
初期設定では「CLAUDE.md が無いときの代わり」です。 足し算ではありません。
判定に使われるのは、作業フォルダとその上位にある CLAUDE.md、.claude/CLAUDE.md、CLAUDE.local.md です。
一方、次の3つは判定に数えられず、AGENTS.md と一緒に読み込まれ続けます。
- 自分用の
~/.claude/CLAUDE.md - 組織が配布している
CLAUDE.md .claude/rules/のファイル
実際に動かして確かめました
仕様を読むだけでは不安なので、実際に試しました。
試した条件
- 空のフォルダを3つ作る(上位フォルダに
CLAUDE.mdは無い場所) - 指示ファイルの中身は「返答の先頭に必ず
[AGENTS](または[CLAUDE])と書く」の1行だけ - 同じ質問「1と1を足すと?」を、Claude Code 2.1.278 とCodexにそれぞれ投げる
- Claude Code側の設定(Project instructions)は初期設定のまま。いずれも新しいやり取りとして実行
確認したのは、返答の先頭にどちらの印が付くかだけです。
| フォルダの状態 | Claude Codeの返答 | Codexの返答 |
|---|---|---|
AGENTS.md だけ |
[AGENTS] |
[AGENTS] |
AGENTS.md + CLAUDE.md |
[CLAUDE] |
[AGENTS] |
| どちらも無し | (何も付かない) | (何も付かない) |
Claude Codeが読み込む条件は、公式ドキュメントの説明と一致しました。
そして表の2行目が、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
両方置くと、2つのツールが別のファイルを読みます。
Claude Codeは CLAUDE.md、Codexは AGENTS.md を見ます。
これは仕様どおりの動きですが、運用では見落としにつながります。
CLAUDE.md だけを更新して「両方のツールにルールを徹底した」と思っていると、
Codex側は古い内容のまま動き続けます。エラーも警告も出ないので、気づく機会がありません。
置き場を1つにする、いちばん確実な方法
先に対処法を書きます。設定に頼らず1か所に寄せるなら、CLAUDE.md から読み込む形が確実です。
```markdown
@AGENTS.md
Claude Code向けの追記
(ここにClaude Code固有の指示を書く)
```
AGENTS.md が本体になり、CLAUDE.md はそれを読み込むだけの薄いファイルになります。
この形なら設定を変える必要がなく、AGENTS.md を直接読めない環境でも成立します。
Claude Code固有の指示は、読み込みの下に足せます。
CLAUDE.md を AGENTS.md へのシンボリックリンク(別名の入口)にする方法もありますが、2点ご注意ください。
- 編集がリンク越しには通りません。AIはリンク先(
AGENTS.md)を直接編集するよう促されます - Windowsで作業する人がいる場合は避けてください。 作成に管理者権限か開発者モードが必要で、
Gitのcore.symlinksが有効でないと、取得したときにリンクではなく1行のテキストファイルになります
では、何が嬉しいのか
正直に書くと、恩恵を受ける人は限られます。
効くのはこの3つの場合です。
CLAUDE.mdをまだ持っていないプロジェクト。他のツール向けにAGENTS.mdを書いてあれば、設定も追記もなしでそのまま効きます- 複数のAIツールを併用している場合。ルールの更新先を1か所にできます。私はClaude CodeとCodexを併用しているので、ここが実利になります
- 人にプロジェクトを渡す場合。相手がどのツールを使っていても、共通の名前に置いてあれば読まれる可能性が上がります
逆に、Claude Codeだけを使い、すでに CLAUDE.md を運用している人には、実質的な変化はありません。
ここで無理に乗り換える理由はありません。
両方を読ませたいとき
設定で変えられます。セッション中に /config と打ち、Project instructions を選びます。
| 値 | Claude Codeが読むもの |
|---|---|
claude-md-or-agents-md |
CLAUDE.md、無ければ AGENTS.md(既定) |
claude-md-and-agents-md |
両方。フォルダごとに CLAUDE.md → AGENTS.md の順 |
claude-md |
CLAUDE.md だけ |
managed-only |
組織配布の CLAUDE.md と自動メモだけ。ただし下位フォルダの CLAUDE.md と .claude/rules/ は、そこのファイルを開いたときに読まれる |
設定ファイルに書くこともできます。
json
{
"pluginConfigs": {
"agents-md@builtin": {
"options": { "instructionFiles": "claude-md-and-agents-md" }
}
}
}
ここで注意が1つあります。
この設定は、プロジェクト内の設定ファイルには書けません。
~/.claude/settings.json などに書く必要があります。
つまり「リポジトリを配れば全員そうなる」形にはできません。
つまずきやすい点
仕様を読み込んでいて、引っかかりそうだと感じた箇所を挙げます。
1. アップグレード直後のセッションでは読まれない
AGENTS.md に対応したバージョンへ更新した最初のセッションでは読まれません。
次のセッションから読まれます。
「入れてみたけど効かない」と一度で判断すると、ここで誤解します。
2. CLAUDE.local.md を置くと、止まる
自分用の指示を CLAUDE.local.md に置くと、それが判定に数えられます。
結果として、AGENTS.md が読まれなくなります。
AGENTS.md を使っているプロジェクトで自分用メモを足したい場合は、
Project instructions を claude-md-and-agents-md にする必要があります。
3. 読まれたかどうかを、いつもの場所で確認できない
/memory や /context の Memory files の一覧に、AGENTS.md は出ません。
確認方法は2つです。
- 初期設定のまま使っている場合は、やり取りの開始時に
no CLAUDE.md found; AGENTS.md loaded: ...という行が出ます - どの設定でも使える方法として、AIに「いまのプロジェクトの指示は何か」と聞きます
一覧に無いことを「読まれていない」と読み違えないようにしてください。
4. 使えない環境がある
次の場合は CLAUDE.md だけが読まれ、/config に Project instructions も出ません。
- 2.1.277 より前のバージョン
- Amazon Bedrock などの他社基盤を経由している、またはテレメトリを切っている
- hooksを全面的に無効にしている、または組み込みの
agents-mdを無効にしている
この場合は、従来どおり CLAUDE.md から読み込む形にします。
5. 似た名前のファイルは読まれない
AGENTS.local.md、AGENTS.override.md、.agents/ フォルダの中身は読まれません。
CLAUDE.md に .local 版があるので、同じ発想で作ると空振りします。
なおファイル名は複数形の AGENTS.md です。AGENT.md では読まれません。
どちらを使うか、決め方
判断はこれで足ります。
- Claude Codeだけを使う →
CLAUDE.mdのまま。何もしない - 他のツールも使う/これから増やす →
AGENTS.mdを本体にして、CLAUDE.mdから@AGENTS.mdで読み込む - すでに両方あり、中身が違う → どちらがどのツールに読まれているかを、まず確かめる
よくある質問
Q: AGENTS.md の中で他のファイルを読み込めますか?
A: できます。@パス の記述は展開されます。ただし作業フォルダの外にあるファイルは、
そのプロジェクトで外部読み込みを許可済みの場合だけ読まれます(確認は出ません)。
Q: 下位フォルダの AGENTS.md は効きますか?
A: 効きます。AIがそのフォルダのファイルを読んだときに読み込まれます。
ただし、そのフォルダに CLAUDE.md・.claude/CLAUDE.md・CLAUDE.local.md のいずれかがあれば、そちらが優先されます。
なお開始時には、作業フォルダとその上位にある AGENTS.md と .claude/AGENTS.md が読まれます。
Q: すでに CLAUDE.md に @AGENTS.md と書いてあります。消すべきですか?
A: そのままで問題ありません。二重に読まれることはありません。
AGENTS.md を読めない環境があるなら、残しておくほうが安全です。
Q: 「AGENTS.md を読んでください」と文章で書いてある場合は?
A: それはAIがファイルを開くと判断したときにだけ効きます。確実にしたいなら @AGENTS.md の形にしてください。
おわりに
この機能の価値は、新しくできることが増えた点ではありません。
指示の置き場を、ツールに依存しない名前に寄せられるようになった点です。
同じことは業務の仕組みでも起きます。
ルールの更新元(正本)が道具ごとに分かれていると、直したつもりの修正が片方に届きません。
1か所に寄せて、そこから配る形にしておくほうが、あとで効きます。
「社内のルールや手順の正本が分かれてしまっている」というご相談を承っています。
どこを正本にして、どう配るかを決めるところから、運用後の保守まで対応します。
- ホームページ:https://mamagotolab.com
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